大使挨拶

1. はじめに

 2017年は、日本・ベトナムの二国間の歴史において、特別重要な意義を持つ年になりつつあります。年初5か月間に、安倍総理夫妻の4年ぶり公式訪問(24社幹部同行)、三村日商会頭を団長とする大型経済ミッション来訪、天皇皇后両陛下の初の御訪問(国賓)、大島衆議院議長等の訪越がありました。特に両陛下の御訪問は、日越関係を一段とレベルアップさせる歴史的行事でした。各行事において、商工会、在留邦人始め、多くの方々から御支援を頂いたことに、心より感謝を申し上げます。

 ベトナムからも数多くの要人が訪日しました。フック首相訪日が最大の節目となり、その準備のため、情報通信大臣、商工大臣、投資計画大臣、副首相兼外務大臣、国家副主席(女性企業家約50名同行)も訪日しました。
また、3月、日越間の人的交流拡大を象徴するものとして、JASSO(日本学生支援機構)とJTNO(日本政府観光局)の二つの政府関係機関のハノイ事務所が新設されました。

 この数年のベトナム人技能実習生と留学生の急増は、目を見張るものがあります。このことは、日本の少子高齢化、労働者不足に大きく貢献していますが、同時にベトナム人による犯罪と不法滞在の増加という新たな問題を生んでいます。今年に入り、日越両国政府の協力強化に加え、日本において検討会を創設するとともに、偽造書類の横行等に対応するためビザ審査の厳格化に取り組んでいます。
 
2. フック・ベトナム首相の訪日

 2017年6月4日から8日にかけて、フック首相夫妻が日本を公式訪問し、両陛下、安倍総理等の会談に加え、「アジアの未来」、「ベトナム投資会議」へ参加しました。またフック首相は、東京のみならず、大阪・京都にも訪問し、各地で知事、日本企業幹部、友好団体代表等と懇談し、実に精力的に活動されました。

 訪問団は、首相夫妻に加え、閣僚級6名、副大臣7名、6地方公共団体の長、中央・地方政府代表100名、経済界90社等、総計約300名の訪日団でした。

 訪日の第1の意義は、「具体的かつ実質的成果のある訪問」となったことです。特に、JETRO・ベトナム計画投資省共催会議における総計36案件210億ドル強の投資案件の進展に加え、ベトナムの「新たな成長モデルの確立」に向け、二国間協力の方向性が示されたことの意味は非常に大きいと思います。

 第2の意義は、指導者間の「信頼関係」の強化と、日越間の「広範な戦略的パートナーシップ」の深化です。フック首相は、「日越は多くの戦略的利益を共有し、ベトナムにとって日本は長期的に最も信頼できる国である」と発言されました。また、両首脳は外交関係樹立45周年に向け、人的交流、地方間交流、文化・スポーツ・観光交流の強化について合意しました。

 第3の意義は、転換期のベトナムが必要とする「行政機構のスリム化」等の課題について、人材育成、知見の共有などの協力を深める道筋が出来たことです。ベトナムの政治・行政改革を支える人材育成のため、5年間で800名以上の留学生(修士・博士取得)及び短中期研修生の受入れ、また、行政改革に関する日本の知見伝達のため、専門家の派遣を確認しました。
 
3. 最後に
 

 今年、ベトナムはAPEC首脳会議(11月、ダナン)の主催国でもあります。首脳会議には安倍総理の出席も見込まれます。日本は、APEC成功のために全面的に協力します。大使館として「今年を日越関係の飛躍の年」にできるよう引き続き取り組む決意です。皆様の御支援を宜しくお願い申し上げます。