2018年を迎えての大使挨拶

   新年、明けましておめでとうございます。
 
   今年、日越両国は外交関係樹立45周年を迎え、一年を通じ多くの行事がベトナムと日本各地で開催されます。今年一年を日越関係の強化につなげることができるよう、皆様のご協力とご支援を宜しくお願い申し上げます。
 
   私は、世界有数の親日国であり、かつ、発展のエネルギーに満ちたこの時代のベトナムに勤務できることを非常に幸運と考えています。緊密化する日越関係を象徴する4点についてご説明します。
 
●間断なき要人往来を通じ、日越の相互信頼関係は格段と深化しています。
   昨年、天皇・皇后両陛下の初のベトナムご訪問、首脳の相互訪問、ダナンAPEC首脳会議などを通じ、指導者間の相互理解と信頼感は格段と深化しました。今年も、45周年関連事業を中心に多くの要人の往来が期待されています。
 
●現在の国際情勢下、日越両国は多くの戦略的利益を共有しています。
   特に、南シナ海や東シナ海において「力」による現状変更の試みが継続していること等を勘案すると、今後、日越両国の連携強化の必要性は一層強まると考えられます。
 
●少子高齢化と労働力不足に苦しむ日本をベトナムの若者達が支えています。
   現在、日本には約23万人(昨年6月現在)のベトナム人が居住しています。ベトナムの若者達は、日本に対する憧れと夢を持って訪日し、日本経済を支えてくれています。
 その一方で、ベトナムの「悪徳送り出し機関」と「日本の悪徳日本語学校」が共謀し、日本に行けば勉強もできるし、金も稼げると吹聴し、多額の借金を負わせて訪日させているケースもあります。夢破れて罪を犯し、検挙される若者が増えています。大使館は本国政府及びベトナム側との連携を強化し、対応に努めています。
 
●ベトナムでは政治も経済も「歴史的転期」を迎えており、日本の協力も新たな視点が必要となっています。
 (1)政治情勢は集団指導体制の下、安定し、治安はよく、少数民族の独立運動等もありません。その一方で、ベトナム戦争終結(1975年)から40年以上たち、総人口の65%は戦争経験がなく、汚職が蔓延した結果、共産党一党支配の「正統性」に疑問を持つ国民も出てきていると言われています。
   このような状況に共産党指導部は強い危機感を有し、昨年から汚職捜査を強化していることに加え、昨年秋、行財政改革案を決定しました。中国共産党が「習近平総書記への権力集中」と「強国化」を進める中、越共産党は集団指導体制の下、「時代に即した独自の道」を模索中です。
 
 (2)昨年、越は6.8%の経済成長を達成し、外国直接投資(認可額)もこの10年で最高となる385億ドルでした。但し、アセアン10カ国中、ベトナムの一人当たりGDPは、いまだ第7位であり、発展の余地は多々あります。
 また、これまでの成長が「外資と低賃金」に依存してきたことから、持続的発展のために「新成長モデルの確立」が必要となっています。公的債務増抑制という制約下、インフラ整備、地場産業育成、国有企業の民営化といった難しい課題に取り組む必要があります。

 (3)ベトナムでは、ODA案件だけでなく、民間投資案件においても企業と大使館の連携が非常に重要です。越政府内で投資許可手続が止まる、理不尽な規制が突然制定されること等が起こります。大使館は企業との連携を最重要業務の一つとして位置づけており、問題に直面された場合、遠慮なくご相談ください。

 
(了)