2012年4月27日、ベトナム計画投資省に於いて、日越政府による第1回インフラ政策会議が開催されました。会議の概要については以下の通りです。また、次回会議については、特定の分野を取り上げて、2か月後を目途に行う方向で調整していくことになりました。
(1)議事
○ ヴィン大臣及び谷﨑大使より冒頭挨拶。
○ ヴィン大臣より「ベトナムの将来計画」、谷﨑大使より「ODAを巡る状況と今後の方針」、築野JICA所長より「対ベトナムODAの具体的取組例」について発表。
○ 出席省庁(交通運輸省、商工省、建設省、農業農村開発省、保健省、情報通信省)より各省の政策等について発表。
(2)主な質疑
○(南北に長いベトナムでは物流においては海運をもっと活用するべきでは、との日本側の問に対し、)現在道路交通が超過しており、その負荷を解消する必要があり、海運を中心として様々なモードを組み合わせた体系を構築したい。
○(道路維持管理ファンドの財源をどう考えているか、との日本側の問いに対し、)首相決定に基づき6/1より道路通行料を徴収する予定。ただし、景気を踏まえ、6月先延ばしすることを政府に提案予定。
○(周辺の都市開発が交通インフラの需要に影響するため民間の都市開発を誘導してはどうかとの日本側の問に対し、)道路、都市鉄道の整備について都市開発も一体的に行う必要があるが、土地保有の手続き上、ベトナム資本と一緒に開発を行って行く必要がある。
○(プロジェクトの推進にとって、土地収用への迅速な対応が必要であるがどう対応するのかとの日本側の問に対し、)日本のゼネコンはしっかりとした施工計画を立てるが、一方で土地収用がおくれ実現していない現状。土地収用に関する政策を今後打ち出して行きたい。
○(電気料金の低さが民間資本の呼込みを阻害しているので、透明性の高い国際競争入札による価格指標の活用を通じて料金の引上げを行ってはどうかとの日本側の問に対し、)現在、国の管理の下、電力の市場化を進めており、市場の動向を見ながら、ステップ・バイ・ステップで市場価格への移行を進めていきたい。省エネも重要。入札プロセスの透明性も引き続き向上させたい。
○(送電線整備についても、BOTやIPPを活用してはどうかとの日本側の問に対し、)送電線は、国家管理が基本。ベトナム電力公社(EVN)のバランスシートの整合性を保つ必要もある。その上で、民間からの資金調達も検討したい。
(ヴィン大臣補足コメントとして)発電所の完成後、送電線への連結線の整備ができず、政府内でも問題となっている。民間参入は是非必要。民間投資と国の運用管理との関係の整理など、現在、財政省が検討中。これに限らず、国家管理が100%の分野であっても、可能であれば、すべての分野で民間の活用を行いたい。
(日本側補足コメントとして)既にODAの実施において、例えば、発電所・送電線の建設の際、民間の参入が容易になるような工夫をしており、引き続き、民間活用をサポートしたい。