最近,中国上海市及びその近隣の省(安徽省,江蘇省,浙江省)において,これまで人への感染が確認されたことのなかったH7N9型鳥インフルエンザの人への感染が確認された旨中国当局から発表がありました。
これまでの中国当局等の発表によれば,感染が確認された人数は21名,このうち死亡者数は6名です。これらのケースは個々に感染が確認されたものであり,各感染者の間にはつながりはない由です。また,当局により,感染者と密接な接触があった関係者の観察が行われており,このうち1名に発熱等の症状が確認されましたが,本件鳥インフルエンザウィルス(H7N9型)陰性であった由です。
世界保健機構(WHO;World Health Organization)では,中国当局と密接に連絡を取りつつ,適切な情報発信や,診察・治療及びワクチン開発の進展に向けた措置を進めること,また,現在のところ,人から人への感染の証拠はないこと,国際間の移動制限や特別なスクリーニングの必要はないことなどを発表しています。
ベトナム政府は,中国と国境を接していることから,食鳥肉を介したベトナム国内への感染の拡大を防ぐため,北部国境における家禽類の流通を禁止するとともに,密輸入の取り締まりを強化しています。また,人への感染についても,重い肺炎等の症状があり感染が疑われるケースについては,国立衛生疫学研究所等にサンプルを送り病原体の特定を行うこととしています。
以上のとおり,現在までのところ,本件鳥インフルエンザの感染例は中国国内の限られた地域で確認されており,また,人から人への感染の証拠はない由ですが,人が免疫を持たないウィルスを感染源とする感染症であることから,今後,報道等により事態の動向を注視の上,必要に応じ感染防止のための準備を行うことをお勧めします。
なお,一般的な鳥インフルエンザ感染防止等のための留意点は次のとおりです。
① 生きた鳥が売られている市場等での鳥・家畜等への不用意な接触を避ける。
② 手洗い,うがい等を励行するとともに,十分な栄養・休息をとるなど,日頃から体調・衛生管理に留意する。
③ 発熱,咳などインフルエンザ様の症状が見られる場合は,速やかに医師の診断を受ける。
(参考ウェブサイト)
WHO:http://www.who.int/influenza/en/
外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
在上海日本国総領事館:http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/index.html
厚生労働省関連情報:
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html