ベトナム国内では,ベトナムと中国との境界が未確定の海域において両国の船舶が衝突した事案を受け,ハノイ,ホーチミンを含むベトナムの複数の都市・地域で中国の行動に抗議するための市民によるデモが行われており,これまでの状況等は次のとおりです。
○ ハノイ市
ハノイ市においては,11日(日)午前,中国大使館前で千人規模のデモが行われ,横断幕の掲示,シュプレヒコールを行った後,デモ参加者の一部が旧市街地のオペラハウス前までデモ行進を行ったところ,暴力的行為は確認されておらず平和的に行われたものであり,邦人又は日本企業の被害は確認されていません。その他,散発的に極めて小規模なデモを行おうとしたとの情報もあるが,いずれも暴力的行為等の情報はありません。
○ ハイフォン市及びダナン市
ベトナム側当局等の情報によれば,いずれの都市においても,デモは平和的に行われ,日本人又は日本企業の被害は確認されていません。
○ ハティン省(ベトナム中部)
14日,ベトナム中部のハティン省において,台湾系企業の工場において,デ参加者の一部が暴徒化し,これにより死傷者が発生したことが確認されています(ベトナム当局によれば,死亡者1名・負傷者149名を確認(いずれも中国人))が,ベトナム当局が事態を沈静化した由です。
○ ベトナム南部
ホーチミン市近郊のビンズオン省,ドンナイ省,バリアブンタウ省等において,デモ隊が中国企業を標的として,工業団地等の敷地内に侵入し,投石・放火等の暴力的行為を行い,これに巻き込まれる形で近隣の日本企業でも敷地内侵入・建物の一部破損等の被害が発生しています。
以上のような事態を受け,日本政府よりベトナム政府当局に対し,在留邦人及び日本企業の安全確保につき申し入れを行い,ベトナム政府当局では,全国各省において対策委員会を設置し,暴力的行為・犯罪の防止,違法行為を行った者に対する厳重な処罰を実施するとの立場を表明しています。
今後のデモの情報としましては,個人のブログ,フェイスブック等を通じ,18日(日)午前,ハノイ市(中国大使館前)及びホーチミン市(青年文化会館前,オペラハウス前)において,平和的にデモを行うとして参加の呼びかけが行われており,また,他の都市・地域,他の日時でデモが行われる可能性にも留意する必要があります。つきましては,今後も引き続き情報収集の上,デモ現場に近づかない,デモ現場に遭遇した場合速やかに現場から離れる,また,ベトナムで活動している企業におかれては組織としての必要な安全上の対策を講じるなど,安全確保につき十分ご留意ください。なお,万一日本人又は日本企業が何らかの被害を受ける事態が生じた場合は,速やかに当館にもご連絡願います。
当館連絡先:在ベトナム日本国大使館 領事班
電話番号 04-3846-3000
メールアドレス ryouji32@ha.mofa.go.jp
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