草の根・人間の安全保障無償資金協力「ハイフォン水産短期大学海洋養殖訓練機器整備計画」による海洋養殖訓練機器の引渡し

令和7年3月28日
3月28日、ハイフォン市キエンアン区の水産・食品技術短期大学(元:技術・経済・水産短期大学)において、同短期大学に対する練習用養殖生簀、飼料製造用機械、海上における安全器具等海洋養殖訓練機器の引渡式が行われました。
引渡式には、在ベトナム日本国大使館から伊藤直樹駐ベトナム社会主義共和国日本国特命全権大使及び田中祐輔一等書記官、同短期大学のチィン・コック・タン学校長のほか学生らが出席しました。
 
ベトナム政府は、気候変動への対応と水産資源の保護を重視し、漁業から養殖、とりわけ海洋養殖への漁業分野の再構築を図っています。そのような中、同短期大学は、農業環境省傘下の短期大学(高等専門学校)として再教育を含めた職業訓練を通じ水産分野の人材育成を担っているものの、職業訓練の要件を満たした機器を揃えることができず、円滑かつ効果的な実習の実施に課題がありました。
同短期大学には、現在100名の学生が在籍し、ハタ、スズキ等の魚類、エビ、カニ、カキ、ハマグリなどの養殖技術を学んでいます。今般、海洋養殖訓練機器を供与ことにより、学生が実習を含む職業訓練を受けることができるようになることで、ベトナムの養殖人材育成を支援するだけでなく、漁業から海洋養殖への漁業分野の再構築、ベトナムの水産資源の保護に貢献します。
 
引渡し式において、伊藤直樹大使は、次のように述べました。
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本日、水産・食品技術短期大学への海洋養殖訓練機器の引渡し式が行われ、本プロジェクトの節目を迎えられたことを大変嬉しく思います。本プロジェクトで供与した海洋養殖訓練機器により、今まで以上に効果的な実習が可能となることで、より高度な知識と経験を持つ養殖人材が育成され、ベトナム水産業の発展、所得の向上・安定化に寄与することになることを期待してやみません。
この式典に参加されている学生の皆さまには、是非、ご自身が将来のベトナムの水産業を牽引するという気持ちを持って、積極的に実習に取り組み、有意義な学生生活を送ってほしいと思います。
そして、本プロジェクトが、日越間の包括的戦略的パートナーシップを一層強固なものとし、未来に向けた日越協力の新たな一歩となることを願っております。
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参考 草の根・人間の安全保障無償資金協力
 人間の安全保障の理念を踏まえて、開発途上地域の住民生活に根ざす比較的小規模な開発事業を実施する団体に対して、資金の供与を行う協力です。保健・医療、水・衛生、災害対策などの分野が対象となります。
引渡し式で挨拶をする伊藤大使
水産・食品技術短期大学の方々との記念撮影
日本国から供与された資機材について説明をする短期大学の教職員
日本政府から供与された資機材を視察する伊藤大使