令和7年度草の根・人間の安全保障無償資金協力に関する贈与契約署名式(6件)

令和8年1月26日
東北農林工科短期大学畜産訓練機器整備計画
ディエンビエン省ムオンチャ郡多目的避難施設建設計画
1 1月26日(月曜日)、日本政府による草の根・人間の安全保障無償資金協力に関する贈与契約署名式が駐ベトナム日本国大使公邸で開催され、以下の6件に関し、伊藤直樹駐ベトナム日本国特命全権大使と各被供与団体との代表者との間で贈与契約が締結されました。
(案件の詳細は別紙を参照ください。)
 
(1)「東北農林工科短期大学畜産訓練機器整備計画」
(供与金額:124,756米ドル(18,713,400円))
東北農林工科短期大学は畜産人材の育成に大きな役割を担っており、畜産及び獣医課程には281名の学生が在籍し、畜産技術を学んでいますが、法令で定められた職業訓練に必要な専門機器が不足しており、必要な実習全てを実施できない状況にあります。畜産訓練機器を整備することにより、法令で定められた職業訓練の実施が可能となり、教育環境の向上に寄与するものです。
 
(2)「ディエンビエン省ムオンチャ郡多目的避難施設建設計画」
(供与金額:111,179米ドル(16,676,850円))
旧ムオンチャ郡は峻険な山間に点在する集落を多く抱えており、アクセスも困難であるため、十分な多目的避難施設が整備されていません。2024年の台風による洪水及び土砂災害により甚大な被害が発生し、避難施設の整備が喫緊の課題となっています。多目的避難施設を建設することにより、災害時の避難スペースの確保を図り、地域の災害対応能力の向上に寄与するものです。
 
(3)「ソンラ省キムボン小・中学校寄宿舎建設計画」
(供与金額:228,688米ドル(34,303,200円))
 キムボン小・中学校の寄宿舎は20年以上前に建設されたもので、老朽化が進んでいます。2024年の台風被害により、天井や床などの内装の劣化著しく、生徒の安全や健康への影響が懸念されています。また、寄宿舎を必要とする児童・生徒は755人と収容人数の約2倍に達しており、多くの生徒が1台のベッドを二人で使用するなど、寄宿舎の不足が深刻です。寄宿舎棟を建設し、宿舎備品を整備することにより、児童・生徒の生活環境の改善を図り、初中等教育の教育環境向上に寄与するものです。
 
(4)「クアンチ省ヴィンリン村障害者職業訓練校舎建設計画」
(供与金額:114,154米ドル(17,123,100円))
旧ヴィンリン郡唯一の職業教育・生涯教育センターについて、旧ヴィンリン郡人民委員会は障害者のさらなる包摂に向けた調査を行い、障害者向けに、縫製、線香製造、造花製造、あん摩・マッサージ、食品製造・販売の5分野において、学習可能なプログラムを立案しました。しかし、センター内の職業訓練棟のうち1棟(築23年)は老朽化が進み、雨漏りでかびが発生し不衛生であることに加え、崩落の危険があるため使用できません。また、既存施設は、障害者を受け入れるための環境が十分に整っていません。障害者向けの職業訓練施設を建設し、訓練機器及び線香製造機等を整備することにより、同郡の障害者に対する職業訓練環境の向上を図り、障害者の社会参加及び生計向上に寄与するものです。
 
(5)「ラオカイ省シマカイ郡多目的避難施設建設計画」
(供与金額:129,701米ドル(19,455,150円))
シマカイ郡は峻険な山間に点在する集落を多く抱えており、アクセスも困難であるため、十分な多目的避難施設を整備できていません。とりわけ、本計画の対象地区は、郡内でも特に険阻な地にあり、近隣に避難所として利用可能な耐災性を有する施設が存在しません。2024年の台風により甚大な被害が発生しており、避難施設の整備が喫緊の課題となっています。多目的避難施設を建設することにより、災害時の避難スペースの確保を図り、地域の災害対応能力の向上に寄与するものです。
 
(6)「イエンバイ省ヴァンイエン郡農業用水施設改修計画」
(供与金額:125,111米ドル(18,766,650円))
 スアンアイ村の灌漑施設は、1991年に住民により旧来の工法で建設され、450世帯(人口1,640人)の耕地へ農業用水を供給していましたが、台風による地滑りで土砂が流入し、貯水能力の低下、また、堰堤は台風で損壊し、漏水が発生しました。また、水路も複数箇所で損壊し、一部の水田は灌漑が不可能となっており、灌漑施設の改修が喫緊の課題となっています。貯水池及び水路からなる灌漑施設を改修することにより、通年で安定した農業用水の供給及び大雨や洪水による浸水被害の防止を図り、同村の農業生産性の向上に寄与するものです。

 
2 在ベトナム日本国大使館では、1992年から2025年度までに759件、総額約7,000万米ドル相当の草の根無償資金協力事業を実施してきました。対象とする分野は、自然災害対策、教育環境整備、職業訓練など多岐にわたっています。
 
3 署名式において、伊藤直樹大使は、「現在、ベトナムでは経済発展が急速に進んでいますが、その一方で、人々が安心・安全に暮らせる環境を整備し、人間の安全保障を確保していくことの重要性がますます高まっていると考えています。とりわけ、コミュニティレベルでの開発における切実な課題に対して、地方公共団体、NGO、教育機関などと協力しながら解決を進めていくことが重要です。草の根無償資金協力を通じて、地域に根ざした開発課題の解決に協力していくことが、ベトナムの持続可能な発展につながると考えています。在ベトナム日本大使館は、中央政府や地方政府とも連携しながら、地域コミュニティの発展、そして一人ひとりの住民の安心・安全な暮らしと人間の安全保障の確保を重視して協力を進めてまいります。」と述べました。
  
 
参考 草の根・人間の安全保障無償資金協力
人間の安全保障の理念を踏まえて、開発途上地域の住民生活に根ざす比較的小規模な開発事業を実施する団体に対して、資金の供与を行う協力です。
 
 
【被供与団体との写真撮影】
ソンラ省キムボン小・中学校寄宿舎建設計画
クアンチ省ヴィンリン村障害者職業訓練校舎建設計画
ラオカイ省シマカイ郡多目的避難施設建設計画
イエンバイ省ヴァンイエン郡農業用水施設改修計画