2020年を迎えての大使挨拶

2020/1/3
 新年、あけましておめでとうございます。
 皆様におかれましては、令和初の初春を穏やかに迎えられたこととお喜び申し上げます。
 
1. 昨年、ベトナムの経済成長率は2年連続で7%を超え、外国直接投資(認可ベース)も380億ドルと過去10年で最高を記録しました。ベトナム経済は非常に好調です。
 また、昨年末、ベトナム政府は、国連やIMFの協力を得て成長率見直しを実施した結果、2010年ー17年の成長率は25.4%増加すると公表しました。今後、この数字をベースに2018年、19年のGDPが計算・公表されると思いますが、公的債務のGDP比は確実に50%以下になり、また、一人当たりGDPは、3千USドル半ばになると思われます。
 
 日越間においても、将来に好影響を及ぼしうる重要な出来事がたくさんありました。例えば、(1)令和新時代の到来、フック首相の「即位礼正殿の儀」出席、(2)G20大阪首脳会議へのフック首相参加、日越首脳会談における受刑者移送条約署名、「ヘルスケア分野」及び「特定技能」に関する覚書発表、(3)2年半ぶりとなる「円借款新規プロジェクト再開」、無償資金協力及び技術協力の正常化、(4)日本企業等の要請を受け対応した支払遅延案件(7件)の解決または大幅な前進、(5)日本の投資は、大型案件がなく投資認可額は国別4位(2017年、18年は国別1位)でしたが、投資件数は着実に増加、(6)防衛協力・海上警察間協力の緊密化(防衛大臣、空幕長、海幕長の来訪、海自・海保艦船寄港等)、(7)地球観測衛星(円借款事業)の契約署名(8年越し案件)、(8)さくら親善大使の初選出、杉日越・越日特別大使のべトナム貢献30周年記念レセプション、ASEAN-Japan Music Festival 2019 in VIETNAM開催、(9)日本語学習者数の大幅増(17万5千人、3年間で3倍)、2つの小学校で日本語の正式教育開始、(10)東京オリンピック・パラリンピックに向け8地域がホストタウンとなる、(11)地域間協力の緊密化(知事・副知事12名の来訪等)、(12)ユニクロ1号店開店(ホーチミン)、イオン・ハノイ2号店開店です。
 
2. その一方で、ムーディーズが「公的債務の支払遅延」や「省庁間の連携不足」等が存在する、改善がなければ「格付け」を引き下げるとの警告を10月に出しました。年末、ムーディーズは「格付け」引き下げは実施しなかったものの、今後の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更しました。また、昨年、ハノイとホーチミンでは大気汚染が悪化しました。
 日越間でも、ODAやビジネス関連の「もめ事」が多発しましたが、大使館では、皆様との連携を強化し、首脳会談や各省指導者との会談の機会を活用して、個別案件の解決に努めています。首相府等の支援を得て、昨年も一昨年に続き40件近い案件が解決・進展しました。       
 しかしながら、進展が遅々としている案件が存在し、新たな「もめ事」も次々と発生しています。大使館としてできることに限界はありますが、中央政府や地方政府との関係で問題に直面された際は、遠慮なく御相談ください。
 
3. 今年2020年、ベトナムはアセアン議長国を務め、また、日本では東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、指導者間・国民間交流の増加が期待されます。
 大使館としましては、下記の取組を強化したいと考えており、皆様の御支援と御協力をお願い申し上げます。
(1)指導者の間断なき往来:外務大臣、総務大臣、二階自民党幹事長・日本ベトナム文化経済観光交流団の訪越(1月)、 アジアの未来シンポジウム(5月)、東アジア首脳会議(11月、越)等)。
(2)日本の深刻な労働力不足問題への対応:技能実習生、留学生、特定技能に関わる諸課題(多額の借金、偽造書類、悪徳ブローカー・送出機関、正しい情報伝達、犯罪・失踪・不法滞在)。
(3)自由で開かれたインド太平洋構想の普及:防衛協力、海上安全当局間交流の強化。
(4)ODA関連事項:質の高いインフラ整備(都市鉄道、下水道整備、国土強靭化等)、日越大学、行政改革支援(人材育成、電子政府等)、環境分野の協力、法整備支援等。
(5)投資関連事項:日越共同イニシアティブ、労働生産性向上、企業が直面する個別案件支援。
(6)「アジア健康構想」の下、医療分野の協力拡充。
(7)日本語教育機関の増加、日本語教師育成支援強化。
(8)ホーチミン、ハノイ、ダナン、ホイアン等における「日本関連フェスティバル」への協力。
(9)東京オリンピック・パラリンピック支援
(10)地域連携強化。
(11)ダナン領事事務所の総領事館格上げ、大使館体制整備。(了)