無償資金協力「経済社会開発計画」(ハノイ工科大学への溶接・接合関連機材の供与)に関する書簡の交換及び大阪大学接合科学研究所との連携・協力について
2022年5月1日、日越首脳会談後に行われた文書交換式において、日越両首脳立ち合いの下、無償資金協力「経済社会開発計画」(ハノイ工科大学への溶接・接合関連機材の供与)に関する書簡の交換が行われました。本計画により、ハノイ工科大学に溶接・接合関連機材(5.5億円)が供与されます。
(参考)
日・ベトナム両首脳立会いの下でのベトナム社会主義共和国に対する円借款及び無償資金協力に関する書簡の交換
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_009354.html
溶接技術は製造、建設、社会インフラ等、産業の基盤技術として非常に重要な技術です。しかしながら、ベトナムでは溶接原理や構造等を理解し、環境や材料、用途に合わせて適切な溶接の設計や開発を行い、品質を管理できる溶接技術者が不足しています。ベトナムの産業や社会インフラを次の段階へ発展させるためには、溶接技術者の育成が重要です。
ベトナムにおける溶接技術教育第一人者であるハノイ工科大学機械工学部は2013年より、日本唯一そして世界屈指の溶接・接合科学に特化した研究所である大阪大学接合科学研究所(阪大接合研)と連携し、溶接技術者の育成及び溶接・接合技術研究の強化に取り組んできました。これまでに、ハノイ工科大学の若手教員・研究者4名が阪大接合研の博士課程に留学しており、今後、ベトナムにおいて同分野の研究や技術者育成を牽引していくことが期待されます。また、ハノイ工科大学機械工学部と阪大接合研の連携により、同関連分野においてベトナムで活躍する日系企業等とのネットワークも構築されており、ベトナムにおける溶接技術の発展と溶接技術者の育成に向けた国際産学連携基盤も整備されつつあります。
ハノイ工科大学では、ベトナム溶接技術研究所(仮称)の設立が予定されています。引き続き、大阪大学接合科学研究所との連携・協力及び本機材供与等を通じて、ベトナム溶接技術研究所(仮称)がベトナムのみならず、ASEAN地域における溶接技術研究と技術者育成の拠点となり、産業の発展に貢献することが期待されます。