【重要】「投資優遇措置の一方的取り消し」について

 ベトナムでは政令29 号(29/2008/ND-CP)により、特別経済区内の労働者は個人所得税が50%減税されるという優遇制度が設けられていましたが、2018 年7 月10 日に施行された政令82 号(82/2018/ND-CP)では、政令29 号を改正するかたちで、この優遇制度が突然削除されました。

 優遇制度を突然一方的に廃止することは、「信義則」に反することであります。そして「ベトナム政府の信用」を自ら傷つけ、投資環境の信頼性に大きな疑義を生みます。

 このような観点から、日本大使館及びベトナム日本商工会議所は、「これまで優遇措置を享受してきた企業については、引き続き優遇措置が適用されるべきである」旨、ベトナム政府関係当局及び要人に対し、昨年末以降、繰り返し働きかけを行ってきました。

 しかしながら、極めて残念でありますが、ベトナム政府内で検討した結果として、5 月28 日、越財政省より当館に対し、「政令82 号の規定通り改正法令を適用する」旨の通知(文書)がありました。

 上記決定につきましては、本件措置の対象となる企業に対し、日本商工会議所等を通じて、既に通報済みです。同時に、当館から越政府に対して、「越政府の正式回答までの間、対象法人が優遇措置に基づいた税を支払っていた場合、罰金や延滞金の徴収を絶対に行わないよう」、強く働きかけを行っております。 6月15 日、首相主催の政府会議にて「罰金及び遅延利息を課さない方向とする」旨結論が出たとの情報に接しています。引き続き当館からは、当該結論を書面で発出するよう越政府に要請しています。

 投資優遇措置については、法令の解釈に基づく混乱が、他の案件でも複数発生しており、ベトナム政府に対して働きかけを行っています。同様の問題が他にも起こっているのではないかと懸念されるところ、問題に直面されている企業は、商工会議所又は大使館に、遠慮なくご相談ください。

(参考)
 ベトナム投資法では、新しく制定された法令の投資優遇措置が、従前享受していた優遇措置よりも不利になる場合、既存の投資家は引き続き従前の規定に基づく優遇措置の適用が受けられることが明確に規定されています(投資法第13 条第2 項)。また、同法第15 条第1 項では、企業所得税の減免、輸入関税の免除及び土地代、土地使用料、土地使用税の減免を対象として規定しています。2015 年の投資法改正の際、上記以外の優遇措置(合法的利益)については、個別相談しつつ認める方針との見解が越国会から提示されていました。