ベトナム共産党中央理論評議会における梅田大使講演会

    10月19日,ベトナム共産党の諮問機関である中央理論評議会の会議室において,日本の外交政策及び日越関係に関する梅田大使の講演会が行われました。
 
 梅田大使は,「自由で開かれたインド太平洋戦略」に関し,(1)法の支配,航行の自由,自由貿易等の基本的価値の普及・定着,(2)経済的繁栄(ハード及びソフトの連結性向上等),(3)平和と安定の確保の三本柱の重要性を強調しました。

   また,日越関係に関し,日越間には文化的親和性,国民レベルの親近感,指導者レベルの信頼感があること,日越両国は現在の地域・国際情勢下において多くの戦略的利益を共有していること,経済分野における相互依存が深化していること等に言及しました。
 
   さらに,日本からベトナムへの感謝として,2005年に日本,ドイツ,インド,ブラジルの4か国(いわゆるG4)が,「国連安保理改革に関する枠組み決議案」を提出した際,ベトナムが最後まで日本の常任理事国入りを支持し続けたこと,2010年に中国がレアアースの対日輸出を全面禁止した際に,日越首脳会談で,当時のグエン・タン・ズン首相が越国内のレアアースの共同開発を提案したことの二点に触れました。
 
   その上で,悪徳送り出し機関に多額の借金を負わされて訪日し,結果として日本で窃盗などの犯罪に追い込まれるベトナム人の若者の増加等,両国間に発生している新たな問題について指摘しました。さらに,ベトナムの投資環境に関し,手続の不透明性,意思決定の遅延,新たなインフラ・プロジェクト工事が開始されていないこと,国際ルール・慣行と一致しない基準を一方的に設定したり,過去の約束を反故にしたりする事例が発生していること等の問題を挙げ,率直な懸念を表明しました。
 
 梅田大使の講演を受けて,ヴー・ヴァン・ヒエン中央理論評議会副議長から,ベトナム側も梅田大使の懸念を受け止め,共産党指導部にも働きかける旨発言がありました。その他,現在の国際情勢や日本の海洋政策について,質疑応答が行われました。