無償資金協力により整備した気象観測レーダー施設の引き渡し式
11月22日に我が国の無償資金協力により整備された気象観測施設(ドップラーレーダー及び関連機材)の引き渡し式が開催され,当館永井公使と天然資源環境省(MONRE)ゴック副大臣が出席しました。
ベトナムは,世界でも有数の災害多発国の一つであり,毎年のように,雨季(5~9月)の大雨,台風,洪水,地滑り,干ばつ等の災害に見舞われ,多くの死傷者や,農作物・財産の損失,インフラ被害が発生しています。
今後,気候変動の影響により,更に異常降雨や台風の発生頻度が大きくなるとも予測されています。実際に,今年も台風・洪水被害が拡大・深刻化し,100名以上の方がなくなるなど甚大な被害が発生しています。
しかしながら,ベトナムでは,基礎的な気象データをリアルタイムに把握する観測体制が整備されておらず,国民に対して正確な天気予報や気象警報が提供できていません。
本プロジェクトは,ベトナム北部において,ドップラーレーダー,及び,関連気象機材を整備し,ベトナム北部地域をカバーする気象観測網を構築するものです。
今後,本施設を活用することにより,ベトナムにおける天気予報の精度向上やリアルタイムの警報が発出され,ベトナム北部地域における防災・減災能力の向上が期待されます。
引き続き,我が国はハード・ソフト両面からベトナムの防災・減災能力向上に協力します。
1. 事業内容
無償資金協力(供与額20億円)
・ドップラーレーダー塔の建設(ハイフォン市(フーリエン),ビン市(チーリン))
・気象関連機材の整備
2. 特徴
・ベトナム北部地域で初となるドップラーレーダーによる気象観測拠点
・Sバンド帯の採用により半径450kmをカバーする広域観測が可能
・降雨雪強度、風速を三次元的に検出・分析することが可能
・地域ごとの時間雨量・積算雨量の算出が可能
・安定かつ高精度なデータ制御が可能
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挨拶する永井公使 |
テープカットセレモニー |
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データ収集・解析機器の説明 | 完成したレーダー塔 |
担当者:
在ベトナム日本大使館 経済班
下瀬,林
Tel: 024-3846-3000
E-mail:keizaihan@ha.mofa.go.jp