技能実習・留学正しい情報発信セミナーの開催
平成31年1月24日
1月22日,在ベトナム日本国大使館において,訪日するベトナムの若者が,多額の借金・搾取・詐欺などの被害にあわないように,日本に行って良かったと笑顔で帰国ができるように,正しい情報発信を強化するために「技能実習・留学正しい情報発信セミナー」(主催:在ベトナム日本国大使館,共催:教育訓練省(MOET),労働・傷病兵・社会省(MOLISA),日本学生支援機構(JASSO),INFORMATION EXCHANGE FOR VIETNAMESE GO TO JAPAN(IEVJ),一般社団法人日本ベトナム産業人材育成機構)を開催しました。
当日は,留学や技能実習での訪日を希望する若者,送出機関関係者,日本・ベトナムの報道関係者等約100名が参加しました。
セミナーにおいては,主催者を代表して,梅田大使がベトナムの若者に向けて,訪日が成功するように期待を込めて,(1)不適切なブローカーは利用しない,(2)高額な手数料は払わない,必ず領収書をもらう,(3)出稼ぎ留学は行わない,という注意喚起などの挨拶を行いました(挨拶要旨は下記に掲載)。
その後,MOET及びMOLISAの代表者からの挨拶,両省の担当者からの説明,大使館からの説明に続き,JASSOの岡田ベトナム事務所長,日本ベトナム産業人材育成機構岩堀代表理事,IEVJの伏原代表・ズオン代表から講演をいただきました。
質疑応答も含め,3時間にわたるセミナーとなり,盛況でした。
来場者からのアンケートでも,ほとんどの人からセミナーについて大変良かった又は良かったと好評でした。
また,ベトナム国営放送(VTV1)の当日の18時のニュースのトップで当セミナーが放送されるなど,ベトナム・日本のメディアで取り上げられました。
大使館では,今後も様々な機会を通じ,技能実習と留学の適正化に向けて,正確な情報発信に務めてまいります。
(セミナーの配布資料,動画などはこちらのページをご覧ください)
(梅田大使挨拶抜粋)
日本への技能実習・留学を希望する皆さん,
本日は,日本大使館主催「技能実習・留学正しい情報発信セミナー」に参加いただき,ありがとうございます。特に,日本への技能実習や留学を目指す若い方々が参加されていることを嬉しく思います。
本日のセミナーは日本国大使館と教育訓練省と労働・傷病兵・社会省の共催で開催し,それぞれの省からクオン副局長,フオン副局長と御担当者の方に御出席いただいています。セミナーの共催そして,日頃の御協力に改めて感謝申し上げます。
昨年,日本とベトナムは,外交関係樹立45周年を迎え,日越両国で240以上の行事が開催されました。また,クアン前国家主席御夫妻の国賓訪日,フック首相の訪日等,要人往来は間断なく行われました。また,国民同士の交流も活発化し,すべての分野で二国間関係が深化した一年でした。日本において,ベトナム関連報道も格段に増えました。現在の日越関係は,これまでで最高とも言われています。
このような良好な日越関係の背景の一つとして,日本で留学や技能実習を経験した多くの方が,その後も様々な分野において,両国の架け橋として活躍されていることも大きな要因として挙げられます。
元留学生の中には,ベトナム政府,国会,大学など教育界,医学界,日系企業などで活躍されている方々が沢山おられます。例えば,政府では,レ・タイン・ロン司法大臣,レ・ミン・フン国家銀行総裁,チャン・ヴァン・ズン国家証券員会委員長,国会議員のギエム・ヴー・カイ氏(元科学副大臣),ター・タイン・ヴァン・ハノイ医科大学学長等がおられます。
日本企業では,ホーチミン市で日本とベトナムが協力して地下鉄を建設していますが,日本の建設会社の責任者の一人ファン・フー・ズイ・クオック(東京大学)さんです。それ以外にも,様々な分野で活躍されている元留学生を挙げればきりがありません。元日本留学生の皆さんは,ベトナムの発展に大きく貢献されるとともに,日本とベトナムの架け橋として,日越関係の発展のために貢献されています。
日本での技能実習によって身に付けた建設,製造等の技能や日本語能力などを活かし,ベトナムの日系企業で活躍されているベトナム人は沢山おられます。
また,優秀な技能実習生が帰国するのに合わせてベトナムに進出する日本企業もあります。そして,当地に設立された工場で,元技能実習生が責任者として活躍されている例も多々あると聞いています。
このようなケースが大半であり,我々としてもこういった話を伺うことは非常に嬉しいことです。他方,留学生及び技能実習生として訪日するにあたり,気を付けるべき点が多々あります。
本日のセミナーは,そうした点について,正しい情報を発信することを目的としたものです。今日,この場で聞いたことについては,家族や友人などにも是非共有してください。
この3-4年の間に,日本の深刻な労働力不足を支える最重要国は,ベトナムになりました。今年4月から,新たな在留資格として特定技能の制度が導入されますが,優秀で勤勉なベトナム人が最も期待され,求められています。
現在,約30万人のベトナム人が日本に居住し,日本経済を支え,自分の夢を実現しようとされています。同時に,非常に残念なことですが,この3-4年の間に,日本における国別外国人犯罪件数(90%近くが窃盗です),技能実習生の失踪者数は,ベトナムが一位になっています。
ベトナムの若者は夢や希望を抱いて訪日しており,決して最初から犯罪を目的にして日本に行く人はいません。しかし,若者の夢や希望を食い物にし,犯罪に追い込んでいる人たちがベトナムにも日本にもいます。
それは,「悪質ブローカー」や「悪質送出機関」の存在です。悪質ブローカーは「日本に行けば,勉強しながらたくさん稼げる」,「早く日本に行けるようにしてあげる」と言った甘い言葉で皆さんを騙そうとします。また,様々な理由をつけて,手数料支払いを求めてきます。その結果,訪日前に「多額の借金」を背負うことになります。多くの人は,親戚や金融機関からお金を調達します。
しかし,日本語学校に通いながら,お金を貯めることはできません。夜中にアルバイトをすれば,昼間は学校で勉強どころではありません。また,こうした生活を続けても,借金の返済はできません。こうした中,そういった人たちを,そそのかして万引き,窃盗集団などに引き込もうとするブローカーの存在が指摘されています。
技能実習でも,残業代を払わないなど法律違反が認められ,労働基準監督機関から指導を受ける悪質日本企業もあります。もっと高い給料が稼げるとそそのかして失踪させるブローカーもいます。
このような悪質業者やブローカーに騙され,罪を犯して,捕まってしまう若者を一人でも減らすことが,日本大使館の切なる願いです。日本政府はベトナム政府と協力し,悪質な仲介業者,送出し業者の排除に向けた取組みを強化することを確認しています。
日本においても,悪質日本企業の取締まりは,強化されています。また,特定技能の設立に合わせ,日本語教育や相談体制の整備等を通じ,外国人の方々がもっと暮らしやすい日本社会にする取組みが開始されています。夢を持って訪日するベトナム人の若者が,帰国する頃には,日本のことをもっと好きになってもらえる日本にしたいと思っています。
悪質なブローカーや不適切な受入機関への対策は,首脳会談でも取り上げられるテーマです。
若い皆さんの日本に対する夢や期待を裏切らないよう,日越両国政府が協力して,しっかり環境を整えていきたいと考えています。
これまでに,大使館では,留学ビザ申請者の個別面接,悪質な送出機関のビザ申請拒否,セミナーやホームページ・フェイスブックを通じた正しい情報の発信等に取り組んできました。
本日は,これから申し上げる3点について,ぜひ覚えて帰っていただき,家族や周りの友人にも伝えてください。
(1)不適切なブローカーを利用しない。
(2)高額な手数料を支払わない。お金を払ったときは必ず領収書をもらう。
(3)出稼ぎ目的の留学を行わない。
詳細についてはこの後担当者からご説明します。
一部では,送出機関が「日本大使館は自分達の仲間だ。ビザは何とでもなる」と言っているという噂があります。しかし,これは勝手に日本大使館の名前を騙っているだけで,全くの偽りです。何か疑問があれば,大使館に直接相談してください。
本日のセミナーで,皆さん自身の目で,技能実習・留学・特定技能について正しい情報を得て頂き,訪日が皆さんの人生を明るく切り拓くものとなることを心から祈念します。
最後に,参加者皆さんのご健康・ご多幸を祈念し,私の挨拶とさせて頂きます。
当日は,留学や技能実習での訪日を希望する若者,送出機関関係者,日本・ベトナムの報道関係者等約100名が参加しました。
セミナーにおいては,主催者を代表して,梅田大使がベトナムの若者に向けて,訪日が成功するように期待を込めて,(1)不適切なブローカーは利用しない,(2)高額な手数料は払わない,必ず領収書をもらう,(3)出稼ぎ留学は行わない,という注意喚起などの挨拶を行いました(挨拶要旨は下記に掲載)。
その後,MOET及びMOLISAの代表者からの挨拶,両省の担当者からの説明,大使館からの説明に続き,JASSOの岡田ベトナム事務所長,日本ベトナム産業人材育成機構岩堀代表理事,IEVJの伏原代表・ズオン代表から講演をいただきました。
質疑応答も含め,3時間にわたるセミナーとなり,盛況でした。
来場者からのアンケートでも,ほとんどの人からセミナーについて大変良かった又は良かったと好評でした。
また,ベトナム国営放送(VTV1)の当日の18時のニュースのトップで当セミナーが放送されるなど,ベトナム・日本のメディアで取り上げられました。
大使館では,今後も様々な機会を通じ,技能実習と留学の適正化に向けて,正確な情報発信に務めてまいります。
(セミナーの配布資料,動画などはこちらのページをご覧ください)
梅田大使挨拶 | 会場風景 |
MOETクオン国際協力局副局長挨拶 | MOLISAフオンDOLAB副局長挨拶 |
MOET国際協力局フオン専門官講演 | DOLABザン部長講演 |
岩堀代表理事講演 | 元留学生トゥン氏講演 |
IEVJ伏原代表講演 | IEVJズオン代表講演 |
JASSO岡田事務所長講演 | 岡部公使閉会挨拶 |
(梅田大使挨拶抜粋)
日本への技能実習・留学を希望する皆さん,
本日は,日本大使館主催「技能実習・留学正しい情報発信セミナー」に参加いただき,ありがとうございます。特に,日本への技能実習や留学を目指す若い方々が参加されていることを嬉しく思います。
本日のセミナーは日本国大使館と教育訓練省と労働・傷病兵・社会省の共催で開催し,それぞれの省からクオン副局長,フオン副局長と御担当者の方に御出席いただいています。セミナーの共催そして,日頃の御協力に改めて感謝申し上げます。
昨年,日本とベトナムは,外交関係樹立45周年を迎え,日越両国で240以上の行事が開催されました。また,クアン前国家主席御夫妻の国賓訪日,フック首相の訪日等,要人往来は間断なく行われました。また,国民同士の交流も活発化し,すべての分野で二国間関係が深化した一年でした。日本において,ベトナム関連報道も格段に増えました。現在の日越関係は,これまでで最高とも言われています。
このような良好な日越関係の背景の一つとして,日本で留学や技能実習を経験した多くの方が,その後も様々な分野において,両国の架け橋として活躍されていることも大きな要因として挙げられます。
元留学生の中には,ベトナム政府,国会,大学など教育界,医学界,日系企業などで活躍されている方々が沢山おられます。例えば,政府では,レ・タイン・ロン司法大臣,レ・ミン・フン国家銀行総裁,チャン・ヴァン・ズン国家証券員会委員長,国会議員のギエム・ヴー・カイ氏(元科学副大臣),ター・タイン・ヴァン・ハノイ医科大学学長等がおられます。
日本企業では,ホーチミン市で日本とベトナムが協力して地下鉄を建設していますが,日本の建設会社の責任者の一人ファン・フー・ズイ・クオック(東京大学)さんです。それ以外にも,様々な分野で活躍されている元留学生を挙げればきりがありません。元日本留学生の皆さんは,ベトナムの発展に大きく貢献されるとともに,日本とベトナムの架け橋として,日越関係の発展のために貢献されています。
日本での技能実習によって身に付けた建設,製造等の技能や日本語能力などを活かし,ベトナムの日系企業で活躍されているベトナム人は沢山おられます。
また,優秀な技能実習生が帰国するのに合わせてベトナムに進出する日本企業もあります。そして,当地に設立された工場で,元技能実習生が責任者として活躍されている例も多々あると聞いています。
このようなケースが大半であり,我々としてもこういった話を伺うことは非常に嬉しいことです。他方,留学生及び技能実習生として訪日するにあたり,気を付けるべき点が多々あります。
本日のセミナーは,そうした点について,正しい情報を発信することを目的としたものです。今日,この場で聞いたことについては,家族や友人などにも是非共有してください。
この3-4年の間に,日本の深刻な労働力不足を支える最重要国は,ベトナムになりました。今年4月から,新たな在留資格として特定技能の制度が導入されますが,優秀で勤勉なベトナム人が最も期待され,求められています。
現在,約30万人のベトナム人が日本に居住し,日本経済を支え,自分の夢を実現しようとされています。同時に,非常に残念なことですが,この3-4年の間に,日本における国別外国人犯罪件数(90%近くが窃盗です),技能実習生の失踪者数は,ベトナムが一位になっています。
ベトナムの若者は夢や希望を抱いて訪日しており,決して最初から犯罪を目的にして日本に行く人はいません。しかし,若者の夢や希望を食い物にし,犯罪に追い込んでいる人たちがベトナムにも日本にもいます。
それは,「悪質ブローカー」や「悪質送出機関」の存在です。悪質ブローカーは「日本に行けば,勉強しながらたくさん稼げる」,「早く日本に行けるようにしてあげる」と言った甘い言葉で皆さんを騙そうとします。また,様々な理由をつけて,手数料支払いを求めてきます。その結果,訪日前に「多額の借金」を背負うことになります。多くの人は,親戚や金融機関からお金を調達します。
しかし,日本語学校に通いながら,お金を貯めることはできません。夜中にアルバイトをすれば,昼間は学校で勉強どころではありません。また,こうした生活を続けても,借金の返済はできません。こうした中,そういった人たちを,そそのかして万引き,窃盗集団などに引き込もうとするブローカーの存在が指摘されています。
技能実習でも,残業代を払わないなど法律違反が認められ,労働基準監督機関から指導を受ける悪質日本企業もあります。もっと高い給料が稼げるとそそのかして失踪させるブローカーもいます。
このような悪質業者やブローカーに騙され,罪を犯して,捕まってしまう若者を一人でも減らすことが,日本大使館の切なる願いです。日本政府はベトナム政府と協力し,悪質な仲介業者,送出し業者の排除に向けた取組みを強化することを確認しています。
日本においても,悪質日本企業の取締まりは,強化されています。また,特定技能の設立に合わせ,日本語教育や相談体制の整備等を通じ,外国人の方々がもっと暮らしやすい日本社会にする取組みが開始されています。夢を持って訪日するベトナム人の若者が,帰国する頃には,日本のことをもっと好きになってもらえる日本にしたいと思っています。
悪質なブローカーや不適切な受入機関への対策は,首脳会談でも取り上げられるテーマです。
若い皆さんの日本に対する夢や期待を裏切らないよう,日越両国政府が協力して,しっかり環境を整えていきたいと考えています。
これまでに,大使館では,留学ビザ申請者の個別面接,悪質な送出機関のビザ申請拒否,セミナーやホームページ・フェイスブックを通じた正しい情報の発信等に取り組んできました。
本日は,これから申し上げる3点について,ぜひ覚えて帰っていただき,家族や周りの友人にも伝えてください。
(1)不適切なブローカーを利用しない。
(2)高額な手数料を支払わない。お金を払ったときは必ず領収書をもらう。
(3)出稼ぎ目的の留学を行わない。
詳細についてはこの後担当者からご説明します。
一部では,送出機関が「日本大使館は自分達の仲間だ。ビザは何とでもなる」と言っているという噂があります。しかし,これは勝手に日本大使館の名前を騙っているだけで,全くの偽りです。何か疑問があれば,大使館に直接相談してください。
本日のセミナーで,皆さん自身の目で,技能実習・留学・特定技能について正しい情報を得て頂き,訪日が皆さんの人生を明るく切り拓くものとなることを心から祈念します。
最後に,参加者皆さんのご健康・ご多幸を祈念し,私の挨拶とさせて頂きます。